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水質汚濁防止法

水質汚濁防止法

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法令のハテナ

 

水質汚濁防止法の概要

「水質汚濁防止法」は「イタイイタイ病」や「水俣病」等の公害病対策として工場などから排出される汚水や廃液が公共用水域(河川・湖沼・沿岸など)や、地下水へ浸透し、健康と生活環境に被害を及ぼさないようにする事を目的に昭和45年(1970年)に制定されました。

汚水や廃液を排出する施設を設置する工場・事業所から公共用水域に排出される排出水にはほとんどの業種に渡り排水基準が適用されています。
各家庭からの生活排水に対しては下水道の整備や浄化槽の整備などの対策がされています。

2012年5月に一部内容改定が行われ、2012年6月1日より施行されています。

 

水質汚濁防止法の対象となる有害物質

「水質汚濁防止法」により、公共用水域への排出及び地下への浸透が規制されている物質のうち、カドミウムなどその他、人体に健康被害を及ぼす恐れがあるとして政令で定められた28種類の物質です。
公共用水域への排出や地下への浸透の許容限度が規制されています。

    今回2012年5月の法令改定で新たに3物質が追加されました。
  • トランス-1,2-ジクロロエチレン
  • 塩化ビニルモノマー
  • 1,4-ジオキサン

水質汚濁防止法の対象となる有害物質一覧表
「環境省ホームページ」より参照。

 

水質汚濁防止法の対象となる指定物質

「水質汚濁防止法」により、公共用水域への排出及び地下への浸透が規制されている物質のうち、公共用水域へ多量に排出されることで生活環境に被害を及ぼす恐れがある物質として政令で定められた55種類の物質です。(熱によるものを含み、有害物質や油は除く)

    2012年5月の法令改定で新たに追加された指定物質の項目は下記の6点です。
  • クロムおよびその化合物(六価クロム化合物を除く)
  • マンガンおよびその化合物
  • 鉄およびその化合物
  • 銅およびその化合物
  • 亜鉛およびその化合物
  • フエノール類およびその塩類

水質汚濁防止法の対象となる指定物質一覧表
「環境省ホームページ」より参照。

 

水質汚濁防止法の対象となる事業者

    対象となる事業者は下記の通りです。
  • 公共用水域に水を排出する事業所
  • 有害物質を製造、使用、処理する特定施設から汚水を地下に浸透させる事業所
  • 貯油施設を設置する事業所から事故などにより油を含んだ水を排出する事業所
  • 特定施設

ここでいう特定施設とは、指定された有害物質を含む汚水や廃液を排出する施設や、その他の生活環境に被害を生ずる恐れがある汚水や廃液を排出する施設のことを言い、製造業、鉱業の他、畜産農業、旅館業など幅広い業界で指定されています。

今回2012年5月の改定により、「特定施設」の施設種類が追加されています。
詳しくは下記サイトよりご確認ください。

水質汚濁防止法特定施設
「東京都環境局ホームページ」より参照。

 

水質汚濁防止法の対象となる事業者の義務

    対象となる事業者は排出水の排出規制等に関する措置を講じるとともに下記のことを行う義務があります。
  • 特定施設についての届出
  • 排出水、地下浸透水の測定及び記録
  • 排水基準の遵守
  • 事故時の届出

 

水質汚濁防止法の排水基準

排水の基準は排出水の汚染状態により環境省令で定められています。

全国一律の基準

人の健康に関わる項目 排出水に含まれるアルキル水銀、PCB、カドミウムなど有害物質(24物質)の含有量基準
生活環境に関わる項目 排出水のpHやBOD、CODなどの基準(一日平均排出量が50m3以上の事業場に適用)

都道府県の条例による上乗せ基準

都道府県の条例により、区域を指定して全国一律の基準よりも厳しい許容限度とする基準が定められている地域があります。

 

 

公共用水域に「水」を排出する場合

工場や事業所から公共用水域に水を排出する場合、特定施設を設置するときは、次の事項を都道府県知事に届け出なければなりません。

  • 氏名または名称及び住所(法人の場合は代表者の氏名)
  • 工場または事業所の名称及び所在地
  • 特定施設の種類
  • 特定施設の構造
  • 特定施設の使用方法
  • 汚水等の処理方法
  • 排出水の汚染状態及び量
  • その他環境省令で定められた事項

 

地下に「有害物質使用特定施設に係る汚水」を浸透させる場合

工場や事業所から地下に「有害物質使用特定施設に係る汚水」を含む水を浸透させる場合、有害物質使用特定施設を設置するときは、次の事項を都道府県知事に届け出なければなりません。

  • 氏名または名称及び住所(法人の場合は代表者の氏名)
  • 工場又は事業所の名称及び所在地
  • 有害物質使用特定施設の種類
  • 有害物質使用特定施設の構造
  • 有害物質使用特定施設の使用方法
  • 汚水等の処理方法
  • 特定地下浸透水の浸透方法
  • その他環境省令で定められた事項

 

生活排水対策の推進(国民の責務)

公共用水域の水質保全を図るため、事業者ほどの厳しい基準はありませんが国民にも生活排水の対策が求められています。

    例えば
  • 調理くずや廃食用油等の処理、洗剤の使用量を適正に行うよう心がける
  • 国や地方公共団体が制定している生活排水対策へ協力する
  • などがあります。

 

水質汚染度の調べ方

水質の汚染度を調べる方法としてBOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)という数値が使われます。

  • BOD
    正式名称はBiochemical Oxygen Demandと言います。
    微生物が水中の有機物を分解するために必要とする酸素の量を基準に水質の汚染度を計測します。
    水中の有機物が多いと汚濁の程度も大きい傾向があるのですが、それを生物的に計測するのがこの方法です。
     
    微生物は水中で有機物を分解するときに酸素を消費するのですが、水中に有機物が多ければ多いほどたくさん酸素を消費するので水中の酸素の量が減ってしまい、魚が住みにくい環境になってしまいます。

  • COD
    正式名称はChemical Oxygen Demandと言います。
    過マンガン酸カリウムや重クロム酸カリなどの酸化剤を用いて化学的に水質の汚染度を計測します。
    水中の有機物が多いと汚濁の程度も大きい傾向があるのですが、それを化学的に計測するのがこの方法です。
     
    酸化剤は水中の有機物と結合して、酸素を与えます。
    水中に有機物が多ければ多いほど酸化剤がたくさん使われ、減少するので、その減少量を測定することで水中の有機物量を数値化します。

一般的にこのBODやCODの値が大きければ大きいほど有機物が多く、水の汚染度が高いとされています。
BOD(生物化学的酸素要求量)の排水基準は、海域及び湖沼以外の公共用水域に排出される排出水に限って適用されます。
COD(化学的酸素要求量)の排水基準は、海域及び湖沼に排出される排出水に限って適用されます。

 

水質の汚染による生物への影響

水中に含まれる有機物の濃度は(ppm)という単位で表現します。

0ppm 川は全く汚れていません。キレイすぎるため魚は住めません。
1ppm 清流
3ppm サケやアユが住めなくなります。
5ppm コイやフナなど水の汚れに強い魚も住めなくなります。
20ppm以上 下水 悪臭が漂い、水とは言えない状態になります。

ppmとは濃度を表す単位です。
(パーツ・パー・ミリオン)と言い、100万分のいくらかという割合を表します。
主に濃度を表すために使います。1ppm=1/100万
1ppmとは、1000Lコンテナに角砂糖1個(1g)が溶けたほどの微量な濃度です。
  
ちなみに、%はパーツ・パー・セント(ppc)と言い、100分のいくらかという割合を表します。
1ppc(%)=1/100

 

特定施設についての届出概要

特定施設を設置する場合や構造などを変更する場合は、事前に都道府県に届け出なければなりません。
また、設置届や変更届が受理されてから60日以降でなければ、その設置や変更を行う事はできません。

 

事故時の措置概要

当該特定事業所で破損やその他の事故が発生した場合、特定事業所の設置者は直ちに有害物質または油を含む水の排出及び浸透防止のための応急措置を講ずるとともに、事故の状況及び講じた措置の概要を都道府県知事に届け出なければなりません。
特定事業場以外の工場または事業所で貯油施設等を設置するもの(貯油事業場等という)の設置者も同様です。
都道府県知事は、特定事業所の設置者または貯油事業場等の設置者が応急措置を講じていないと判断した場合、これらの事業者に対し規定に定められた応急措置を行うことを命ずる権利があります。
命じられた事業者は直ちに従わなければなりません。